レジリエンス教育はHSCに効果あり!~セミナーを受講しました~

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10/25、日本ポジティブ教育協会主催のセミナー「レジリエンス教育と繊細なこどもたち(HSC)」を受講しました。今回は当協会理事である岐部智恵子氏・鈴木水季氏よりレジリエンス教育がHSCにどんな効果があったかの研究結果の説明がメインでした。HSCとレジリエンス・・・ちょっと気になりませんか?内容を簡単に紹介したいと思います。

レジリエンスとは

まずは「レジリエンス」という言葉ですが、聞いたことはありますでしょうか?少し前から目にするようになってきた印象です。様々な団体が定義をしていますが、この日本ポジティブ協会での定義は、「逆境から立ち直る力」としてレジリエンスを位置づけ、ポジティブ教育を通して培うことを目標にされているそうです。

レジリエンスとは、


・精神的回復力
・復元力
・逆境力


逆境や困難から立ち直る心理的な力、困難や失敗から立ち直る課程・能力であり、カップで例えられていました。

・ステンレスカップ→強い(ハーディネス)
・ガラスカップ→固いが衝撃があると割れてしまう
・プラカップ→弱くてへこんでしまうが回復できる(レジリエンス)

なんとなくイメージできますよね。強くなる必要はなくて、へこんだときに回復することができればいい、そんな考えだと感じました。

レジリエンス教育は思春期以上の子どものうつ病の予防に効果があるという研究結果が出ているそうです。ポジティブ心理協会ではポジティブ心理学の研究者である、イローナ・ボニウェル博士が認知行動療法をベースにつくられたSPARKレジリエンスプログラムを採用されているとのことです。

SPARKレジリエンスプログラムについて

  • Situation・・出来事そのもの
    Perception・・その出来事に対する捉え方
    Auto Pilot・・自動的に生じてくる感情
    Reaction・・どのように反応・行動するか
    Knowlege・・捉え方のパターンとそれに伴う感情・行動についての学び

この5つをひとつひとつ分離して認識することが大切とする考え方です。日本で導入する際には文化を考慮し、改訂されているそうですが、全体像としては

・嵐をしのぐ
困難やストレスがあったとき、ネガティブスパイラルの対処方法が上手になる

・強い根を張る
レジリエンスマッスル ソーシャルサポート、自尊感情、自己効力感、ポジティブ感情を鍛える

の2つの柱で構成されています。

内容は

・レジリエンスとは何かレジリエンスについて知る
・気晴らしの魔法ーセルフコントロールのための気分転換の様々な方法
・レジリエンスを鍛えるーレジリエンスマッスルの4つの力
・逆境による成長ー心的外傷成長(PTG)
・ネガティブスパイラルを解明しちゃおうー心理的メカニズムについて知る
・ネガティブスパイラルに挑戦しようー自分のネガティブスパイラルに挑戦するために「鍛え方」に焦点をあてる

という6回シリーズのプログラムです。

研究概要について

東京の高校1年生に3年実施(407名)、HSCだけでなく、クラス全体に教育する「ユニバーサルアプローチ(第1次支援)として日本版SPARKレジデンスプログラムが実施されました。

HSCについて

ここで、HSCについての説明が岐部氏からありました。

D:深く処理する(Depth of processing)

O:過剰に刺激を受けやすい(being easily Overstimulated)

E:全体的に感情反応が強く、特に共感力が高い(being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)

S:ささいな刺激を察知する(being aware of Subtle Stimuli)

この4つが特徴で、感覚の個人差であるため、ネガティブ面だけではなくて、ポジティブ面も多いことを強調されていたのが印象的でした。また、HSCは「Orchid CHILD」(蘭のような子ども)と言われており、手塩にかけて育てると美しい花が咲く、そのような子どもであると紹介がありました。HSC傾向はアンケート回答の手法で把握しています。

レジリエンス教育がどのような効果があったか

研究結果ですが、まずはベースラインから見ても、HSC傾向が高い子どもはそうでない子どもより自尊感情、自己効力感が低く、抑うつ傾向が高い結果が出ているそうです。これはHSCを育てている親からすると納得な部分ではないでしょうか。
そして、このレジリエンス教育がどのような効果があったかというと

・抑うつ傾向の低下
・自己効力感UP

に効果があったとの結果でした。詳しい数値の紹介がなかったのですが、有益であったことは、環境や周囲の影響を良くも悪くも受けやすいHSCだからこそだと思いますし、このような教育が大切だなと感じました。

実践の場で気をつけていること

また、HSCではないですが、適応指導教室での実施の様子や子どもたちの変化についての報告がありました。実際にこのプログラムを提供した鈴木氏から、現場で指導する際に気をつけていることについて紹介いただきました。

・ポジティブでなければならないというステレオタイプ的な理解にならないように
・ネガティブ感情を持つこと自体が悪いことではないことを強調
・あり方は多種多様、「自分らしさ」を大切にすることをメッセージ
・認知行動療法の部分では、認知の再構築よりも自己理解をして自己受容することが大切


最後の1つは専門的な部分ではありますが、上の3つは子どもと接する際に気をつけたいことと同じですよね。鈴木氏は、「学校に行けないことが悪い、学校なんて行かなくてもいい、そのどちらでもなく、学校で学ぶ先にあるものはなにか、今の自分からなりたい自分になることが乗り越えることであること、そこを一緒に考えていくことも重要であるとメッセージがありました。

岐部氏からは「繊細な感情や思考は、脳内で処理されるものであることを理解する、感覚特性であること理解し、自分と距離を置いてみる、思春期は非HSCでも迷い、もがく時期。HSCには特に自分の世界を自分で大事にして歩いて行っていいということを理解することが重要である、と話されていました。

受講しての感想

私が受講した感想は、やっぱりHSCは環境や育て方が大切なんだなと改めて感じました。レジリエンス教育にも興味を持ちましたので、勉強したいと思います。また、発表者のおふたりのあたたかい人柄も感じられ、こんな方々がスクールカウンセラーとしていてくださると本当に安心だな、と感じました。11/1には「HSC/HSPの正しい理解と伸ばし方」のセミナーもありますので、こちらも楽しみです!

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